パパは幼なじみ
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「パパ!パパ~っ!!」
「あなた…どうして…」

警察から遺体が戻ってきて、ひっそりとパパの葬儀が行われた。雨はしとしと降り続き、まるで私たち家族の心の中のようだ。
大量の魚を両手に抱え笑顔で帰ってくるはずだったパパ。いっぱいの花に囲まれている。顔は見えない──

「慎太郎ちゃん、溺死ですって」
「あら、それじゃあ事故ってこと?」

葬儀に参列している親戚の声が聞こえてきた。かなり大きいひそひそ声が響いてくる。

「それなら、保険金かなりもらえるんじゃないのぉ?」
「恵さんとうまくいってなかったって噂よ?悲しんでる様子だけど、内心喜んでたりして!」
「あら失礼よ?聞こえちゃうでしょ?」

心の中は怒りよりも悲しみが大きく支配していた。
そんなことないのに。パパとママはすごく仲が良かった。だからママは本当に悲しんでいるのに。何も…何も知らないくせにっ!!


立ち上がったのは拓人だった。


「お前ら、何も知らないくせにふざけんな!!うまくいってない?保険金で喜んでる?んなわけねぇだろっ!?大事なおじさんの葬儀でそんな馬鹿げたことぬかすやつは、今すぐ出てけよ!!」

今にも胸ぐらをつかみそうな勢いの拓人を、男たちが慌てて押さえた。おばさん2人組はばつが悪そうに下を向いていた。
拓人があんなに怒った顔を見たのは、私は初めてだった。

「真奈、大丈夫だからな。あいつらみたいなヤツからは俺が守るから。俺が絶対に幸せにするから。」
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