パパは幼なじみ

PART1

「ほんっとにごめん!今日は寝坊しちゃって」
「大丈夫、待つのは好きだから。1時間くらい平気だよ!」
「…いつから待ってたの?」
「6時半?」

結局私が待ち合わせ場所に着いたのは7時41分だった。約束から20分ほど過ぎて申し訳ないって思っていたけど…

「なんか…さらにごめん。」
「いいんだよ。1時間は僕の責任だから。」
「朝、弱いんでしょ?」
「うん、ちょっと眠い。」
「自転車乗る?」
「歩くよ。そのほうが目すっきりしそう。」

ゆるゆるした会話が続く。早紀ともありさとも拓人とも違うタイプ。でも嫌いじゃない。


校門が見えてきた。昨日とは違って、たくさんの生徒がいる。緊張も増す。

「ねぇ、今日の帰りは時間ある?」
「へっ!?」

急な質問に変な声が出てしまった。
その質問には返答しにくい。また夜遅くなると怒られる。3日連続は…

「ちょっとわかんないけど…話?」
「うん。今度は君の話が聞きたいなって思ってさ。…拓人さんのこととか。」

拓人…その名前にドキッとした。徹くんの前では口にしたことがない名前なのに、なんで知ってるんだろう?

「あ、用事があったんだ。ごめん、今日は…」
「わかった。それじゃ、放課後玄関で。」

取り決め通り、私たちは別々に教室に向かった。

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