パパは幼なじみ

「真奈ちゃん、おっつかれ～！」
「いや～今日のとこ予習してなかったから、有坂のおかげでマジ助かったわ(笑)」

普段話さない人まで声をかけてくるほど、さっきの授業はひどかった。
でも英語は得意なほうだから、一問もミスっていない。教室から出るときの高田愛桜の顔は、すごく悔しそうだった。


「集中攻撃だったね～！大丈夫だった～？」
「真奈さ、お昼休みの面談でやらかした？」

さすがの2人も素直に心配している様子だ。

「何かしたなら謝っときなよ？来週から期末考査だし、点数下げられたらヤバいじゃん」
「私もさ、大人げないことしたかもしれないよ？だって、高田が拓人をさ…」
「いや、何の話？ってか、高田？」
「ら王ちゃんから呼び捨てだ～！」
「あいつにあだ名も敬称もいらないよ！もうライバルだし。いや、同類かもしれないけど…」
「だから、何の話!?」
「vs先生だね～」

まったくかみ合わない会話をしているのを横目に、6時限目の古典の先生が教卓で腕組みをしていた。