パパは幼なじみ

PART3


放課後になったがすぐには帰れない。徹くんに嘘を言って先に帰ってもらっている手前、今玄関を出たらまずい。

「真奈~!今日から部活はテスト休みだし、一緒帰ろうよ!」
「そっか、テスト5日前だもんね」
「私も一緒に帰る~!」

部活をやっている2人と帰れることは少ない。帰りたいけど…ありさはバラすよな、徹くんに。いったんついた嘘は突き通さなきゃいけない。

「ごめん。高田…先生に頼まれごとされてて」
「やっぱりさ、なんかやっちゃったんでしょ。早く許してもらいなよ?じゃ、今日は帰るね。行こ、ありさ。」
「今日は厄介日だね~!じゃあね、真奈ちゃ~ん!」
「……厄日ね?」


2人は手を振りながら教室を出て行った。教室に残っているのはテストから目を背けている数人だけ。私は図書館にでも行こうか。

「有坂さんはまだいるかしら」

あの声が私を呼び止めた。

< 71 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop