パパは幼なじみ
部活もなく、誰もいないはずの家庭科室。しかし意外な人と遭遇することになってしまった。


「ん?誰や、あんたら」
「あなたこそ誰なの?どうして勝手に入ってるのかしら?」
「開いてたからに決まっとるやろ。なんか悪いんか?」
「当たり前です!不法侵入よ!」
「ここ学校やし、生徒やから問題あらへんやろ」


この話し方とふてぶてしい態度…もしや!!

「不良の藤島明正!!」
「不良っちゅうのは失礼やなぁ。オリジナル
やで?」
「知っているの?真奈ちゃん」
「え~と、私の友達の幼なじみで…」
「真奈ちゃん…やて?」

嫌な予感…

「おぉ、お前!!」

あ、やばっ…この人に気づいた時点で去るべきだった。だって藤島は…

「せ、先生!この人はいいから中庭にでも行って話を…」
「林田の女やんか!」
「ち、ちが…っ」
「林田の…あなた!!同じクラスの林田徹くんと付き合ってるの!?じゃあ拓人くんはっ!?」
「お前二股かけとんのか。ははっ、やるのぉ」
「だから、そうじゃなくて!!」
「どういうことなの、有坂真奈っ!!」


あぁ~もう嫌だっ!!


この騒動に気づいた中等部の体育教師が止めに入ったのは、15分後のことだった。
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