パパは幼なじみ
「静かな場所探してフラッと立ち寄っただけやったけど、おもろいもん見れたわ。おおきに。ほな、気ぃつけて帰れよ!」
「……うん」

激しく疲れた。あの後、騒動の事情を話すために高田は残り、私と藤島は帰された。流れで一緒に帰ることになり、あの分かれ道で分かれたところだ。

「今日は最悪な日だった…」

日が沈んでいく空を見上げながら呟いた。
でもまだ今日は終わらない。これ以上の“悪”がこないことを祈りながら、家に急いだ。



「ただいま」

“おかえり”の返事がないのはいつものこと。ママも拓人も、帰るのは7時すぎだ。
部屋にカバンを置き、手を洗おうてリビングに下りた。

「なんだこれ」

食卓の上には模造紙が広げられている。その上にあった小さいメモ用紙を手にとる。

「真奈へ…朝気づいたら弁当と一緒に…」


“真奈へ
  朝気づいたら弁当と一緒にいなくなってい  るんだもの、びっくりしたわ。ママは今日  の12:35の飛行機でアメリカに出発しまし   た。ママが帰るまでパパと頑張ってね!
  あ、模造紙には2人の役割分担が書いてあ   るから、協力しあうのよ?じゃあね~!”


模造紙は“真奈 パパ”と書かれていて、曜日ごとに詳しく役割が示されている。

な、な、な…

「なんじゃこりゃ~っっっ!!」

ちなみに今日の私の役割は夕食作りだった。

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