パパは幼なじみ
「いってきます」

今日は一緒に行こうって言ってこない。どうせ断るつもりだったけど、寂しい。
徹くんが待っている分かれ道に向かった。



今日は何時からいたのか分からないが、いつもの場所で徹くんは立っていた。だけど彼の様子が明らかにおかしい。

「おはよう、徹くん」
「あ、お、おはよう!じゃあ行こうか」
「そっちじゃないよ、学校はこっち!家に戻るつもり?」
「え、あ、あぁ、そうだね。おっちょこちょいだな、僕。あははは。」

やっぱりおかしい。

「なんかあったの?いつもと違うよ?」
「そ、そうかな」
「藤島明正…」

徹くんの体がビクッと跳ねる。
アイツの名前を呟いてみたら、やっぱり反応した。昨日の騒動のことを聞いたんだろう。でもなぜ動揺しているのかは謎だ。


「高田先生にも私たちが付き合ってるってことが知られただけでしょ?仮でも今はそういうことなんだから、問題は…」
「今日は時間ある?」
「え?」
「話が…したいな。いろいろ知りたいんだ。」

突然の質問。その顔は真剣で、今日も夕飯作らなきゃいけないけど断れなかった。



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