パパは幼なじみ
しばらくすると、私の嫌いな匂いがただよってきた。

「あぁ、いいにおいだね。今日はオニオンスープ?」
「そうよー。器とってくれる?」
「待ってて…はい、これ」
「ありがとう。」

何気ない2人の会話が耳障り。私の居場所がどんどん無くなっていく感じが嫌だ。それに比例して、そんなことを思っている自分がどんどん嫌いになっていく。
私ってこんな性格だったっけ?朝から気持ちが重い。


「……奈…真奈……聞いてるの?真奈!」
「へっ!?」
「もう……朝ごはんできたわよ。」

ママがあきれ顔で私を見ている。ごちゃごちゃ考えていたから、全然話が聞こえていなかった。食卓にはすでに今日のエネルギーの源が並んでいた。


こんがり焼けた食パンと湯気がたっているオニオンスープ…これが我が家の今日の朝ごはん。


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