パパは幼なじみ

PART2

「じゃあ、もう帰ろうか。」

オレンジジュースを一気に飲んだ徹くんは、私の返事を待たずに立ち上がった。
私も急いで残りのコーヒーを飲み干し、徹くんの後に続いた。

「帰るの?徹ちゃん。またいらっしゃい!」
「うん。今日もありがとう、おばさん。」
「あ、そういえば!」

徹くんのおばさんが引き止める。

「あきくん、元気?大阪から帰ってきたんでしょう?それと、ありさちゃん。高校生なってから一度もきてないじゃない。その2人も、いつか連れといで。」
「…うん、分かった。それじゃ」

笑顔のおばさんに、少し困惑した笑顔で徹くんが返した。



あの分かれ道まで、徹くんと一緒に歩く。
今は6時30分を少し過ぎたところだ。拓人が帰ってくる頃には家にいれるだろう。

「真奈ちゃん」

分かれ道が見えてきた時、今まで無言だった徹くんに話しかけられた。

「なに?」
「……返事は…すぐでなくていいよ。明日もこの場所で待ってるから…」
「あっ…」

言い終わると徹くんは走り出し、分かれ道を右に進んでいった。

「返事……」

私は、分かれ道の左へと向かっていった。
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