まだあなたが好きみたい
氷に塩
窪川が公園をすごい速さで横切ってくる。
ざっと砂を蹴ってポールを飛び越え、見せつけるように軽々と降り立った。
「おまえ」
正気を失いそうないっぱいいっぱいの眼差しに足がすくんだ。
菜々子は思わず半歩後退した。
決意の揺らぎが足に来た。
「おまえ、ぶ、ぶっちゃけ俺のこと、どう思ってんの」
目が泳ぐ。
これは、なんだ。
そのまま受け取っていいのか。それとも、なにか策があって、カマをかけてるのか・・・・・・。
「どう、思ってほしいの」
くっと窪川は焦れたように顔をゆがめ、
「質問に質問で返すなバカ! 俺の質問に答えろ!」
切羽詰った口調にますます困惑する。