まだあなたが好きみたい


露骨な嫌悪が彼のまなじりに宿る。


息が凍った。




そんな言い方。




不覚にもアゴがふるえ、菜々子は奥歯を噛みしめた。




……今のは、本気だった。




本気で、腹の底から嫌がってた。


奈々子が待ち望んだ再会を、彼は心の底から恨み、煙たがり、そして憤っていた。



いっそ、生きていたことさえ腹立たしいと言わんばかりの言い様に、菜々子は一瞬、目の前がまっ暗になった。



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