まだあなたが好きみたい
「さあ夏原そばだ、そばに行こう。なんたって今日は大晦日だからな。そばを食べずに年が越せるかってんだ。だがな夏原忘れるな、俺はいつだって寛大な優しい男だ」
「はあ? てめぇ白井なにそらぞらしいこと吹き込んでんだよ。夏原、無視しろよ。こんなやつより俺のほうがよっぽど寛大だ。そして、格好いい。もちろん、そばを食いに行こう」
「てめぇは帰って家族と仲良く雑煮でもすすってろ」
「それはこっちの科白だボケ。和気藹々、紅白でも見てろよ。お似合いだぜ」
憎まれ口を叩き合い、3人は夏原の勧めるそば屋へ向けて歩き出した。