まだあなたが好きみたい
「変なところで理屈っぽいわねー。いいでしょうよなんだって。出してもらえるだけありがたいと思うわよ。ちなみにわたしはうちの菩提寺の賽銭箱にもいつも五円玉よ。なかったら断腸の思いで十五円玉を出すの」
「潔いね! やっぱり菜々ちゃんかっこいいよ」
「でしょー?」
御籤を引くか絵馬を買うか迷ううち、有正の携帯に彼のパパから破魔矢を買ってきてという連絡があったので、菜々子が立て替え、結局いずれも買わぬまま二人は神社を後にした。
「菜々ちゃんごめんね」
「いいけど。おみくじなんて別に当てにしてないし。絵馬だって、文字に書くほどの願いもないもの」
「ほんとー? ダイエット成功しますようにーとか書かなくてい……痛いいひゃいいひゃいほははひゃん」
日はまだ高い位置にある。
これからどうしようと話した末、二人は元日から営業中のショッピングセンターに行こうと、ちょうど、神社からほど近い停留所を経由する無料のシャトルバスに乗り込んだ。