まだあなたが好きみたい
離任式も休んだ。一日でも早く中学校とは縁を絶ちたい、その一心だった。
中学と縁を切るのと一緒に、彼の両親ともそれっきりにしたはずだったのに。
(……有正、侮りがたしだわ)
あいつとの関係を絶たないと、いずれこういう危うい場面に出くわすことは必然だったはずだ。
それを望まないなら窪川と関わるべきじゃない。
菜々子の不安定な心情も含め、おそらく有正はそこまで見越して懸念を抱き、あれほど厳しく釘を刺したのだ。
東やその先輩のことを考えるとバスより確実だと踏んで勢い同乗させてもらったが、頭がそのことだけになっていたのは迂闊だったと反省する。
(もう、ほんとうにこれっきりにする)