まだあなたが好きみたい

(でも、それだったらなんとしてでも誤解を解かないとな)


関係を絶つ? ――そんなの無理だ。


以前の俺なら望むところだった。

でも今はちがう。

今は彼女が怒りや憎しみといったネガティブな感情さえ示すつもりのない予感がとてつもなく怖い。

親父への礼にかこつけて俺のためにと買ってくれたマスコット、その優しさがまるで別れの餞別のように思える。


たとえこれが彼女の願いだとしても、聞き入れることはできなかった。



その日の放課後、窪川は睦美の親友を呼び出した。

どう報告しようかずっと思案に暮れていたが、そもそもこういう役回りに慣れていないうえ、変に考え出すとどんどん気が滅入ってきて埒が明かないことに気づいた。



「ごめん窪川、待たせたね」

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