まだあなたが好きみたい
菜々子は肩をすくめた。
「残念だけどね、応援っていうのは紛れもなく偽らざる事実です。あなたを目当てでなんか来てません。学校の応援って何回言えば信じてもらえるの?」
「一万回言われても信じられないね」
やれやれ。
「かわいそうな人ね。ほら、あとちょっとよ」
菜々子はふたたび歩き出した。
「待てよ!」
連れ、というより、群らがるマスコミのように彼は菜々子を追ってくる。
「だったら聞くが、おまえあの試合、見ただろ? おまえの学校。あんなに弱いんだぞ? 応援する価値があったか?」
「弱いなんて知らなかった。試合が始まってはじめて知った。でも、弱いからとか、価値がないからとか、そういうので応援に行く行かないを決めるのはおかしいでしょ。それより、お願いだから低次元の話はやめてくれる。くだらなくてバカが移る」
「!!」