まだあなたが好きみたい
利用する相手が悪かったのだ。
彼らの計画はすっかりばれて、匡は謹慎、残りの三人はそれまでの生活を送ることさえ許されなかった。
一連の賭け事に関わった、あるいは巻き込まれた生徒の親には、もれなく事の詳細が報告された。
首謀者には厳格な処罰を科すことで一致したが、匡に限っては信頼していた仲間に裏切られた格好であり、直接的な暴力行為にも及んでいないことから、主に吉田を騙したことについての反省のみで許された。
だから今もこうして地元の高校に通えているし、好きなバスケットも続けていられる。
そのことにまったく罪悪感を覚えないといったら嘘になるけれど、だからといって俺にしてやれる償いなんて、あるだろうか。
たとえば、殊勝に、懸命に、清く正しく生きてみるとか?
考えたけれど、それだとかえって俺が中田みたいになりそうなのでやめた。
いくら罪悪感を抱えていても、人はそう簡単には変わらないらしい。
それに。
なにをどうしたって、今さら取り返しのつかないものばかりだ。
傷はいずれ癒えるし、記憶も色褪せるというけれど。
でも、それだって、例外はある。
(それだからなのか……)