まだあなたが好きみたい
図星だったのだろう。
言われて気づいたのか、もとからそうやって踏み潰し、意図的に見ないようにしてきたのかはわからないけれど。
でも、外野から見ていればそれは――彼がそのように意固地で相手の言い分を蹴散らすような物言いしかできない理由、屈託は、自然とわかるような気がした。
彼は、チームに溶け込んでいるようで実のところそれほど溶け込めていなかったように思う。
一様に、どこかで彼を別次元の人間を見ているようだった。
するとその陰には、彼のことを疎ましく思ったり邪魔くさいと思う、性(さが)とも言うべきネガティブな気持ちが往々にしてひそむものだ。
同じステージに立つに相応しくない人間に、周囲は様々な形で案外残酷だったりする。