まだあなたが好きみたい


俺は謹慎を食らい、本来ないはずのクラス替えをその年に限り例外措置として適用した。



来年度の初夏に予定された修学旅行の準備が本格的に進行しはじめた時期でのクラス替えだったので、ずいぶんまともに非難もされたし、行く先々で冷たい視線を浴びさせられた。


あのときの身の置き所のなさといったら言葉では表しきれず、生涯忘れはしないだろう。



当時は認めがたかったがそれも致し方なかった。


あの頃はそうでもしないととても耐えられなかったから。



クラスが別れ、彼女はすこしずつ回復した。



顔に生気が戻って、表情という彩りが加わった。



ゆるやかだがたしかな変化が示す良好の兆しに、俺は安堵する一方で、どこか手放しには喜べないもやもやした気持ちが居場所を占めていくのも無視できなくなっていて―――。




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