まだあなたが好きみたい

「今日は有正いっしょじゃないんだ?」

「うん。部活」

「なに、部活って」

「写真部。パソコンが使えるからいーって言ってた」

「たしか中学の頃からそっち系くわしかったイメージ」

「そうだね。自分でパソコンとか作ってるみたいだし、好きなんじゃないかな」


有正の趣味は精密機械をいじることと写真である。

が、彼はカメラ自体にはさほど関心があるわけではなく、もっぱら撮るほうよりも、撮ったものを専用のソフトを駆使してデザイン性を高く見せる技法の方に凝っている。


有正は一人っ子で、家庭にこれという問題はないものの、ふつうかと聞かれればそうとは言えない家族構成の中で育ってきた。


そのため、必然的にひとりでの時間のつぶし方、過ごし方を模索し続けた結果、父親に触発される形でそういう趣味が身についたのだ。


とはいえ、そんな個人的なことを東に話す必要はないし、有正も望むはずはない。



「有正といつもいっしょにいるよね」

「幼馴染だから。家も近いし、学校も一緒だと自然とそうなるよ」


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