まだあなたが好きみたい
でも結局、そうなんだ。
ずっと前から、わかってる。
わかっていて、でも強がっているのだ。
そうじゃないと、今より自分が嫌いになるから。
あいつらと話なんかしなくたって、とくに支障はないと言い聞かせて。
でも一方では、現状に納得のいかない自分がうじうじ膝を抱えてる。
でも俺は、きっとこのスタンスを、これからも頑なにつづけていくのだ。
誰にも屈しないし、俺に壁を作るやつらに自分からなにかを誘いかけて、機嫌をとるような真似は絶対にしたくない。
崩れかけた己を、あらためた決意で立て直す。
そして、家までの道のりも半分ほどを過ぎたとき、窪川はおもむろに足を止め、目を上げた。
気づけば、先ほど吉田菜々子とすれ違った場所にいた。