みんな、同じ。



───…

これは、試練、なのかもしれない。

クラスが変わったら絶対するであろう、恒例行事。

「上田 修平!去年は5組でした!スポーツとか得意で、彼女募集してます!」

クラスには、笑い声が溢れた。

私は、その勢いに少し圧倒されていた。

す、ごいなぁ。

「なんか、上田の後やりづらいなぁ…」

さっきの上田くんの後ろの席の男の子が立った。
苦笑いしている。

教室はまた笑い声が溢れた。

──…

「次、は…久世だな。
いけるか?」

担任の山口先生が、私を心配そうに見た。
去年の私のクラスでも、担任をしていた先生だ。
何かと私を気にかけてくれた。

私はそんな先生に心配をかけないように、頷いて立った。



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