みんな、同じ。



教室は、さっきまでと違ってしんとしていた。
それがまたやりづらくて、少し躊躇した。

そして、目をつむって、少し、深呼吸をしてみた。

「……く……ぜ、いの……祈、です。
よろし……く…」

それだけいって、私は席についた。

全身ガタガタ震えていて、なんだか申し訳なくて、軽く頭を下げた。

そしたら、教室は温かい空気に包まれて、安心した。

「久世ちゃん、そんなに緊張しなくても…」

「てか、声はじめて聞いたかも!」

「可愛かったね〜」

…なんだかいたたまれなかった。

ちらりと、瑞希ちゃんや、弥生ちゃんの方を見ると、満足そうに笑ってた。

弥生ちゃんなんか、右手の親指を突き立ててた。

楽しいなぁ、やっぱり。


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