みんな、同じ。
「………」
いた、よね。
玄関に。
開け放されたリビングのドア。
その向こうに、確かにいた。
でも、叔父さんと叔母さんは気づかなかったらしい。
なんだか、悲しそうに見えた。
もしかしたら、僕が、気に障ることをしたのかもしれない。
それはそうだ。
帰ってきたら見知らぬ自転車があって。
会ったばかりの男が、自分の家にいるなんて。
謝る、べきかな。
「たかちゃん?」
「え、あぁ…今」
「…!
あぁっ、いーちゃん!」
叔母さんは、リビングのドアの向こうを見た。
小さなローファーを見て、悟ったのだろう。
「お出迎えしてないわ、私!」
「真理さん、少し落ち着かないか」
「えぇ、でも…」
二人は、なんだか、あの子に気を使いすぎてる気がした。
なんだか、それが嫌だった。
そして、ふたりは。
あの子にちっとも似てなかった。