みんな、同じ。



おいしい。
おいしいな。

オムライス、エビチリ、シューマイ…

いろいろなものがある。

本当に、私の好きなものばかりだ。

おいしいな。
いつもより、箸が進んだ。

そして、最後の一個の卵焼きに箸を伸ばす。

「………」

「………」

久世くんと、視線をぶつけた。

久世くんも、卵焼きをとろうとしたみたいだった。

私は、箸を引いた。
久世くんも、引いた。

そして、また伸ばす。
久世くんも、伸ばす。

「………」

「………」

箸を置いた。
私も、久世くんも。

ついに、私たちは小さく吹き出した。

お父さんと、お母さんも笑ってた。


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