桜の木の下で-約束編ー
☆
……愛しき人……
君、在りし……
日を胸に秘め
現世を刻む。
……君、想ふ……
現世の
仮初の世
夢、儚きて……
永久の契り……
古より
想い焦がれし
愛しさよ
かの君の元
届きけり
君……
想ふことなかれ……
愛しきものよ
我……心……
全て……
桜に……
託しけり……
☆
その歌声に誘われるように
少年和鬼に体を委ねる。
『迷い子よ。
貴女の今にお帰り。
ボクは貴方に辿り着くから』
まだ幼い少年の声が柔らかに降り注ぐなか、
私の意識はゆっくりと遠ざかって行った。
……和鬼……。
私の愛しい人……。