桜の木の下で-約束編ー
突き刺さる珠鬼の言葉。
その言葉の刃に、
動けなくなりそうな体を
必死に支えながら、
鬼狩を鞘から解き放つことすら出来ない。
唯一、ボクに出来るのは
桜吹雪を纏わりつかせて
珠鬼を守りながら、
咲と応戦すること。
咲……。
ボクだよ……。
泣かないで。
痛いほどに伝わってくる
咲の思念がボクに流れ込んできては、
ボクの心に鋭利な痛みがズキンと突き刺さる。
「鬼狩。
貴様も大切なものを奪われた苦しみを
思い知るがよい」
その声と共に放たれた
矢は傀儡と化している咲へと
何処からか放たれる。
咲を狙って放たれたその矢から、
咲を守るためにボクの体は、
咲を捕まえて抱え込む。
その直後、鈍い痛みが
体中を駆け巡った。