桜の木の下で-約束編ー
「今回のYUKIの活動を
バックアップするメンバーを紹介するわ。
まず私が所属するDTVTより、
ピアニストに惣領国臣【そうりょう くにおみ】。
ヴァイオリニストは、瀧川深由【たきがわ みゆ】。
フルートは、他の仕事と掛け持ちだからタイミングがあえばになるけど、
高臣様の親友である、三杉竣佑【みすぎ しゅんすけ】。
プロデュースの方では、Ansyalから託実。
雪貴も留学から戻ってきたらメンバーに考えてるわ。
今回からSHADEの怜【りょう】の秘蔵っ子。
Ishimaelの羚【れい】」
宝珠社長が来客をボクに紹介するたびに、
それぞれから握手を差し出されて、
ゆっくりとその手を取ってお辞儀をした。
促される場所にボクも座りながら、
最上階の部屋をぐるりと視線で追いかける。
部屋の中には特大パネルのボク。
そのボクが映る写真には、
いつも同じような桜の花弁が舞い踊ってる。
そのパネルの中の景色をじっと見つめていると、
脳裏に広がっていく、夢の映像。
*
古びた神社と大きな満開の
桜の木が境内に咲き誇る。
満開の桜の小枝に腰掛けて、
地上を見つめ続ける、
真っ黒な長い黒髪の少女。
*
……君は誰?……
いつの間にか、
ボクはその夢の少女に焦がれ続けてる。