桜の木の下で-約束編ー


「今回のYUKIの活動を
 バックアップするメンバーを紹介するわ。

 まず私が所属するDTVTより、
 ピアニストに惣領国臣【そうりょう くにおみ】。
 ヴァイオリニストは、瀧川深由【たきがわ みゆ】。
 
 フルートは、他の仕事と掛け持ちだからタイミングがあえばになるけど、
 高臣様の親友である、三杉竣佑【みすぎ しゅんすけ】。

 プロデュースの方では、Ansyalから託実。
 雪貴も留学から戻ってきたらメンバーに考えてるわ。

 今回からSHADEの怜【りょう】の秘蔵っ子。
 Ishimaelの羚【れい】」


宝珠社長が来客をボクに紹介するたびに、
それぞれから握手を差し出されて、
ゆっくりとその手を取ってお辞儀をした。



促される場所にボクも座りながら、
最上階の部屋をぐるりと視線で追いかける。



部屋の中には特大パネルのボク。


そのボクが映る写真には、
いつも同じような桜の花弁が舞い踊ってる。



そのパネルの中の景色をじっと見つめていると、
脳裏に広がっていく、夢の映像。





古びた神社と大きな満開の
桜の木が境内に咲き誇る。


満開の桜の小枝に腰掛けて、
地上を見つめ続ける、
真っ黒な長い黒髪の少女。








……君は誰?……





いつの間にか、
ボクはその夢の少女に焦がれ続けてる。


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