桜の木の下で-約束編ー
「咲、今のYUKIにスキャンダルは相応しくありませんの。
YUKIは、ルピーの宝ですもの」
勝ち誇ったように吐き捨てられた言葉。
私はただ唇を噛みしめながら、
どうすることも出来ず、和鬼を見つめながら立ち尽くした。
学院のチャイムが鳴る頃、気を取り直したように、
校舎の中に滑り込んで、その日の実力試験を受ける。
休み時間と言う休み時間に、
司のまとめたノートを丸暗記して望んだ試験。
数日後、何とかギリギリで合格ラインに滑り込んだ私は
胸を撫で下ろしながら神様・仏様・司さまと拝んだ。