子猫と私の恋物語
ーーーーーー5時間目(野外の班決め)ーーーーーー
「よーし、始めるぞー。号令!」
「起立!!」
や、やっと来たあ!!!
野外の班決め!!
リア充になる率40%の大チャンス!!
「何が大チャンスなのか分かんない」
そんな男子もいるけど・・・
どこの学校にもあるように、私の学校にも、恋の三大イベントがあるのです!!
そのひとつが野外活動というわけで。
私をはじめ、片想いの女子達は、好きな人と同じ班になりたくて、闘志をメラメラ燃やしています!!
・・・・・・もちろん、美香も・・・。
美香と同じ班になりたいけど・・・
たいが君と一緒の班は気まずい・・・。
「どうしよう・・・。」
つい、口に出して言ってしまった時。
「もか~っ!!」
私を呼ぶ美香の声。
もしかしなくても、これは・・・・・・
「一緒にたいが君誘ってくれない?」
やっぱり。
どうしよう・・・・・・。
「ねぇ、もかったら!!」
「あ、う、うん。誘いに行こうか。」
美香の怒ったような、心配そうな声に反応してしまい、つい、私はそう言ってしまった。
「ありがと、もかっ!!」
美香の満面の笑みに
「どういたしまして!!」
としか答えられない私。
「じゃあ、お返しに、竜君も誘いに行ってあげる!!」
美香のその一言で、私の頬はぼっと赤くなる。
(そ、そうだ。美香の事で頭がいっぱいで、すっかり忘れてた!竜君と同じ班になって、今度こそ告白を・・・)
「も~、もかったら!!分かりやすくて可愛い~~っ♪」
うぅ~っ、美香、恥ずかしいよ!!そんな大声で言わないで~!!
ここまで言われたら、私だって!!
「そーいう美香だって分かりやすいよ~?」
意地の悪い笑みを浮かべながら、からかった。でも、
「もかの方が分かりやすいよ?」
その一言で、また私の頬は赤くなった。
完敗。
そんなやりとりをしていると、
「あの・・・・・・」
という、遠慮しているような、爽やかな声が聞こえてきた。