子猫と私の恋物語
魔法族の秘密
ーーーその日も、俺は0時に人間に戻った。
やっぱり、そういう魔法か。
0時~18時まで人間、18時~0時まで猫。
じゃ、帰るか。
「んん~、ふぁあ・・・。」
やっべ、バレたかと思った。
俺はまた魔法を使って、出ていった。
・・・『魔法』・・・。
小さい時から俺を縛り付け、また、自由にしてくれたもの・・・・・・。
ーーーーーーーーー10年前ーーーーーーーーー
「お母さん、もうボクやりたくないよ~。疲れたぁ~!!」
「もう、何言ってるの?貴方は『選ばれし人』なのよ?」
「なに、その、『選ばれし人』って?」
「・・・・・・我が家はね、人間の中の選ばれし魔法族の、さらに選ばれし王族なのよ。」
「おうぞく?」
「そう、王族。王族はね、男の人は『竜』とか、『龍』っていう字が入ってて、女の人は『花』っていう字か、花の名前が入ってるのよ。」
「ふぅん?・・・よくわかんないや。」
「・・・でも、最近は魔法族が減ってきてるの。そこに、竜、貴方が生まれたのよ!!」
「どうして、『そこで』なの?」
「あのね、古くから伝わる古文書によると・・・・・・『2×××年の六月に、二人の選ばれし者が現れ、魔法族を復活させるであろう。但し・・・』って書いてあるの。」
「『ただし』の次は?」
「それは、分からないの。でも、年も月も同じ男の王族は、貴方しかいないの!」
「すみれは?」
「『二人の選ばれし者』って書いてあったでしょう?もう一人がすみれちゃんよ。だから、将来二人は結婚するのよ。」
「・・・・・・よくわかんない。」
「あら、いいのよ。お母さんの言う通りに生きていけば。」
「『言う通り』・・・・・・」