林檎姫は恋をした。
**
『クロ』
その声に寒気がした。それは仕方ないのだが…
「…なんでしょうか」
いやいや出した言葉を聞いて奥様はにやっと笑った。
『…あの子の場所、知らないんでしょ?』
「は…い?」
なにを言ってるんだこの女は
つい唖然としてしまった
『じゃあ、はい』
俺に奥様は何かを差し出した
それを見た瞬間、思わずオレは目を見開く
「これって…!」
『…短剣よ?』
その言葉はあまりにも冷たく言い放たれた。
『それで殺してきなさい』