林檎姫は恋をした。



……………目に入ったのは紫に光林檎。


しかも食べかけで。


…………あぁ、この林檎でお義母さんは殺そうとしてたのですね?


ねぇ、ハクさん。


「大好きです…………」


けど、私はあなたを愛してはいけなかったのですね。


好きになってはいけない人だった。


けどね…………



私は今その林檎でさえ、


愛おしく思ってしまうの。


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