俺様ヤンキーは優しい幼馴染でした。
「私、パス」
隣から星来が言ってきた
「え?」
「私、こういうの苦手だから美桜1人で歌って?」
私も苦手なのに……
そう言って星来は私にマイクを渡す
そう思いながらも星来に言い返すことができず、
みんなからは早く歌えとブーイングが上がる
しかたなく私の大好きな女性シンガーのバラード系の歌を歌うことにした
私が歌い始めた瞬間、騒がしかったバスの中が一気に静まった
私、そんなに下手かな・・・
下手過ぎてみんな黙っちゃってる・・?
そんな心配を胸に抱えて
歌い終えると盛大な拍手がバスに響いた
「美桜、歌うまいねー」
柊が私にほほ笑みを浮かべながら
褒めてくれる。
お世辞かなぁとおもいつつも
とても嬉しかった
星来からも「美桜の声綺麗だったよ」
小さめの拍手をしてくれる
煌の方をチラッとみるとバチッと目が合い
「うまかった」
そう一言だけ言い残し再び前を向き眠ろうとする。