小さな死神
S駅前の某スタバ・・・一番隅の止まり木
「一体どういう事?由香はやってないよ。あの子にそんな事できるわけないし。」
「けど、自供したって事だろ?」
「あたしがやってないって言ってんだからやってない。」
さえこは言い切った。この自信はどこから来るんだろうか?
「少し、事件の経過を整理してみないか?」
「そうね。あんたにしちゃあまともな意見だね。
じゃ、まず、一昨日までの由香のママの行動は?気になる点とかは?」
「一昨日までの?取り立てて挙げる様な事は無かったなぁ~。ニコニコマートってスーパーに、午後2時から3時半まで行ったくらいかな?
気になると言えば毎日判で押したように同じ時間に行って帰る事かな?」
「毎日同じ時間に?
で、付回したの?」
「付回すってやな言い方だなぁ~。最初だけ。だって買い物なんて毎日同じだろ?」
「馬鹿!なんで尾行しなかったんだよ。その時に誰かに会ってたかもしれないじゃん。」
「そんな事今更言われても・・・」
さえこの口の悪さにはあんまり気にならなくなってきた。慣れたのか?俺って打たれ強いから。
「行くよ。」
「へ?どこへ?」
「スーパーに決まってるじゃん?」
「待って!まだエスプレッソがぁ~。」
あいつの頭ん中はどうなってるんだよぉ。
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