小さな死神

急展開

あたしやっぱり・・・」
「さえこ?どうした?さっきから話が中途半端なんだけど・・・。」
俺の事務所兼ねぐら。もう次の日の朝7時過ぎにやってきたさえこ。
「由香ね、なんか隠してるね。」
「隠し事?・・・どんな?」
「それが分かれば苦労はしないよ。」
「そりゃそうだ。」
「由香にもう一回会わないと。絶対に・・・」
津上は嫌な予感で身震いがした。また侵入かよ。
「さえこ?また侵入する気かよ!つか警察はどこまでつかんでるんだろう?」
「通話記録は公衆電話だって。」
「どうやってそんな情報を?」
「だから秘密の情報源だってば。」
「そっそうだったな。」
鋭い!
「ともかく由香とあたしは、小学生の頃からずっと親友なんだよ。・・・そうか!あの場であたしに何も話しちゃいけなかったんだ。だから、あんな冷たい事を言った。きっと」
「どういうこと?」
「由香はね、犯人を知っているんだ。けど言えない。なぜ?・・・聞かれてはいけない人間が近くにいた。」
「かばってる?」
「・・・それはわからない。・・・だから、やはり会いたい。会ってほんとの事を聞きたい。」
「やっぱ侵入?」
「ううん・・・今度は脱出!由香を連れ出すよ。」
マジかよ!
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