小さな死神
2口コーラを飲んでから、由香はもうすらすらと話し始めた。
「・・・それから異変が始まった。あたしが中学に入ってから。
まず、妹の同級生の男の子が車にはねられたの。
死にはしなかったけど、誰かに押されたって。けど犯人は分からなかったの。
それから、続けて5人が事故に合って。
3人が死んだわ。
学校じゃ余りに事故が多いんで集団登下校するようになって、事故は無くなったの。
けど、妹のクラスじゃ物が無くなったり壊されたり・・・1度は一晩で学校中の窓が割られて、ニュースになったくらい。
その頃からあたしは妹がやったって思い始めてた。事故に合った子はみんな妹をいじめてた子だったから。それからもう妹が怖くて怖くて。小3の妹が・・・。
あたしの思い過ごしって思えない事があってから、疑惑だけじゃなくて、確信したの。」
「それって・・・お母さんの事?確か、防水スプレーの中毒だったんじゃなかった?」
由香は微かに頷いた。
「そう。あたしたちがスキーに行く前の日にウェアに防水してくれたんだけど、締め切った部屋でやったから・・・お母さん、中毒なっちゃって。
けど、あたし見たの。お母さんのお葬式の少し後、妹がスプレー缶を何本も捨ててるのを・・・」
「でもなんで?妹はなんでお母さんを?」
「分からない。けど前の日の夕方、お母さんが妹に買い物頼んだんだ。確かお醤油切れたらしくて。あたしが帰ってきた時ちょうど妹の帰りと一緒になったんだけど、あたしに食って掛かってきて・・・どうしてあたしが行かなきゃならないの!って
・・・その時の目が怖かった。恐ろしかった。凍るように冷たい目だった。」
由香の目に涙が浮かんでる。
「それから、妹には逆らえなくなった。」
「醤油!それだけ?それだけの事で?
お父さんには言わなかったの?」
さえこは用心深く言った。
「言えなかったっていうより言っても何もならないから。
当時はいつも家にいないし、帰ってこないし。一ヶ月も帰らない時もあった。
お母さんが生きてる時からそうだったんだ。最低だったよ。」
「・・・由香の妹に会わないと。そうしないと何も分からないよ。」
「え!絶対無理ぃ!」
「由香!い~い!このまんまじゃ何も解決しないの!その為には・・・。」
「・・・それから異変が始まった。あたしが中学に入ってから。
まず、妹の同級生の男の子が車にはねられたの。
死にはしなかったけど、誰かに押されたって。けど犯人は分からなかったの。
それから、続けて5人が事故に合って。
3人が死んだわ。
学校じゃ余りに事故が多いんで集団登下校するようになって、事故は無くなったの。
けど、妹のクラスじゃ物が無くなったり壊されたり・・・1度は一晩で学校中の窓が割られて、ニュースになったくらい。
その頃からあたしは妹がやったって思い始めてた。事故に合った子はみんな妹をいじめてた子だったから。それからもう妹が怖くて怖くて。小3の妹が・・・。
あたしの思い過ごしって思えない事があってから、疑惑だけじゃなくて、確信したの。」
「それって・・・お母さんの事?確か、防水スプレーの中毒だったんじゃなかった?」
由香は微かに頷いた。
「そう。あたしたちがスキーに行く前の日にウェアに防水してくれたんだけど、締め切った部屋でやったから・・・お母さん、中毒なっちゃって。
けど、あたし見たの。お母さんのお葬式の少し後、妹がスプレー缶を何本も捨ててるのを・・・」
「でもなんで?妹はなんでお母さんを?」
「分からない。けど前の日の夕方、お母さんが妹に買い物頼んだんだ。確かお醤油切れたらしくて。あたしが帰ってきた時ちょうど妹の帰りと一緒になったんだけど、あたしに食って掛かってきて・・・どうしてあたしが行かなきゃならないの!って
・・・その時の目が怖かった。恐ろしかった。凍るように冷たい目だった。」
由香の目に涙が浮かんでる。
「それから、妹には逆らえなくなった。」
「醤油!それだけ?それだけの事で?
お父さんには言わなかったの?」
さえこは用心深く言った。
「言えなかったっていうより言っても何もならないから。
当時はいつも家にいないし、帰ってこないし。一ヶ月も帰らない時もあった。
お母さんが生きてる時からそうだったんだ。最低だったよ。」
「・・・由香の妹に会わないと。そうしないと何も分からないよ。」
「え!絶対無理ぃ!」
「由香!い~い!このまんまじゃ何も解決しないの!その為には・・・。」