小さな死神

「これ以上は有料なんだよ。」
「は？なんなん？」
その子は更に手を突き出す。金か？しぶしぶ財布を取り出す。just壱千円。けど～･･心配になるなぁ。
「えとさ、これって援交にならないよね？」
そっちかよ！
「援交ってあのねぇ～千円でかよ！今時の女子高生って貧乏神飼ってるって知ってた？まぁ今日は最初だし特別に。」
「最初ってなんだよ？」
「いいから。・・・由香の母親は継母なんだ。以前からよく外出ばかりしてたんだけど、最近は余りしなくなったって。由香そうぼやいてたよ。あたしが遊びにいけないって。」
「由香？外出しなくなった？なんでか言ってた？」
「なんだか変な男が毎日の様に家の周りをうろついてるって。」
「は？変な男？・・・もしかして・・・」
「あんたの事。」
スックと指差された。
「あんた、探偵失格だね。」
「探偵？どうしてそれを？」
「いっつも一緒んとこにいて家覗いてたら、痴漢か警察か探偵かもしかしたらストーカー・・だろ？それに毎日おんなじ服着て、どういうつもり？」
「どういうつもりって言われても・・。他に着る服無いし・・・」
「あんたさぁ、なんか変なドラマとかの見過ぎじゃないの？」
図星。
「そ！そんな事は・・・」
「とにかく、そんなんじゃだめ！」
ばっさり切られた。
「今日からあたしがちゃんと指示するから。」
「指示って・・・？」
「いいから今日は任せて。あんたはどっか見えないとこへ行ってて。」
「そんなぁ～！」
「いいから、早く。あ！連絡先！携帯教えといて。あ！それからこれ。」
女の子の余りの勢いに差し出した名刺・・・交換にレノマのハンカチが・・・。ふぅ～俺は仕方なくそこを離れた。