小さな死神
1時間後。
「解かったよぉ。やっぱ浮気してるみたい。由香が言ってた。」
いきなり見知らぬ番号からの着信。あの子だった。
「みたいじゃダメなんだよ。証拠が欲しいんだよ。証拠が。」
「証拠?写真?シャメとか?」
「シャメ?そうそう!それが無いとダメだ。」
「ふ~ん・・・わかった。」
いきなり切れた。

15分後、また電話。
「どうしたんだ?」
「しぃー!今、出掛けようとしてるから、後を付けるんだ。」
「付けるってどういうことだよ?」
「いいからいいから。」
再び切れた。
俺、公園の反対側にいたから、ヴェスパでダッシュ!
車が発車するとこだった。それを自転車で追おうとしてる。まじかよ。
「おまえさぁ、チャリで追える訳無いだろう!」
ヴェスパの後ろに飛び乗った女の子。
「何で乗るんだよ!」
「ほらほら早くしないと逃げられるよ!」
「く・・・」
仕方なく2ケツ。

< 5 / 34 >

この作品をシェア

pagetop