ちっぽけな奇跡のはなし




もうすっかり夕方になってしまったけど、
最後に海に入ることにした。


入ると言っても、海に足をつける程度だけど。



「おいで」


カレは手を差し出してくれた。


夕日に照らされて、影になっているカレの
手をとると優しく海へと連れてってくれた。


「楽しいね」

巴菜がそう言うとカレは笑って頷いた。





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