ちっぽけな奇跡のはなし



「そろそろ、行こっか」


「そうだな」



帰り道には、もう月が昇っていた。


「ここまででいいよ。ありがとう!」

「大丈夫か?ここまでで」


「うん。今日はクレープありがとね」

巴菜はふふっと笑った。

「じゃ、また」

手を振って帰ろうとしたとき、手を掴まれて
振り返った。



「ん!」

健太に小さな紙袋を押し付けられる。





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