ちっぽけな奇跡のはなし
「これって」
あの髪ゴムを選んだお店の紙袋だ。
中を覗いてみると、
何やらネックレスらしきものが入っていた。
「え!こんなの悪いよ!」
このネックレスは巴菜が見ていたものだった。
可愛いし、欲しいなと思ったが少しお値段が
高めだったからやめておいたのだ。
「今日のお礼だ。じゃあな。
気をつけて帰れよ」
健太はそう言うと、せかせかと歩き出した。
「ちょ、ちょ!でも!」
今度は巴菜が健太の腕を掴んだ。