ちっぽけな奇跡のはなし




「ありがとう」


そう言うと、男の人は巴菜の向かいに座った。


「ほんとうに高校生のときも、ケーキが好きだったんだね」


男の人は1人ごとのようにつぶやいた。


そして、巴菜を見つめる。


愛おしいそうに、時に懐かしそうに。



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