ちっぽけな奇跡のはなし



「絶対大事にするから」


そして、ぱっと離すと少しだけ笑って


「またな」


と言って去っていった。




巴菜はその場からしばらく動けなかった。


たしかに好きだった。

1年の頃、好きだった。


今だって一緒にいれば楽しい。



遂にはその場にへなへなと
座り込んでしまった。




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