ちっぽけな奇跡のはなし
「まずその人のこと、考えてみて」
「うん」
「今何してるかな〜とか、
もっと知りたいな〜とか思う?」
「まだ好きな人いるとか言ってないじゃん!」
「はいはい。じゃあ、もしそう思うなら
それは気になってるって事だと思う。
でも、好きってね。
そういうことだけじゃなくてさ―――――――」
すみれの言葉にある人の顔が思い浮かぶ。
「ごめん。ありがと」
「ん。じゃあまた学校でね」
携帯を切ったあと、ベッドにもぐりこむ。
今日はやけに月が明るかった。