ちっぽけな奇跡のはなし
わたしはあるウイルスの研究に携わっていました。
でも、ある時感染をしてしまったのです。
細心の注意を払っていたのに、
馬鹿でしょう?
みるみるうちに感染は身体を
蝕んでいきました。
これ以上はカレの側にはいられないと思い、
姿を消しました。
訳を言わなかった理由は2つ。
極秘の研究だったから。
他言してはいけないと、しつこく言われていたからです。
もう1つは、カレは必ずわたしが帰ってくるまで待っているから。
結果的には、
待たせてしまうことにはなりましたが
もうそれも終わりです。
カレにはカレの幸せを、人生を歩んでほしいのです。