ちっぽけな奇跡のはなし
「なぜわたしなんですか?
もしかすると、高校生の私じゃなくて
もっと先のわたしが理由を持ってるかもしれないし。
それに、アナタはどうやって過去にやってきたんですか?
やっぱり未来から来たなんて信じられないというか」
「キミが言ったんだ」
「え?」
そのとき、カレの目があまりにも強くて
切ない目だったのを覚えてる。
いつだったか、こうして向い合って何かを
語り合ったことがあるような気がした。
カレはホットコーヒーを見つめて、自嘲するように笑った。
「高校生のときに忘れられない人と
出会ったんだって。
あれが初恋かもしれないって」
「だとしても、
それが何と関係あるんですか?」