ちっぽけな奇跡のはなし
「わたしはアナタを置いて、
その初恋の人とやらのとこに会いに行ったっていうんですか?」
男性はもう冷めているであろう、
ホットコーヒーを一口飲んだ。
「僕はそう考えてる。
だから、高校生のキミに会いに来たんだ。
僕は3年、キミを待ち続けた。
でも、帰ってこないどころか
何の音沙汰も無い」
何だか、巴菜は居心地が悪くなってきた。
悪いのは自分だが、
何だか高校生のわたしが謝るのも筋違いな気もする。