ちっぽけな奇跡のはなし



月光で照らされた、カレの頬には
一筋の光るものがあった。



「泣いてるんですか?」


「泣いてないよ」

カレは素早く手で目をこすった。



「あなたは上手に愛してた。

きっと、未来のわたしもあなたを愛してた。


本人が言うんだから、間違いないですよ!」 


巴菜がぽんっと、カレの背中を叩いた。


「そうだな。
心強いよ」

と、カレが笑った。



< 51 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop