ちっぽけな奇跡のはなし



「どうしたんだい?
そんなひどい顔して!」



カレがいた。



ひどく驚いているようで、駆け寄ってきた。



「いや、あの」


はあはあと、息が切れて上手く話せない。


「あなたがどこかに行ってしまう気がして!

待ち合わせの約束だってしてなかったし」


カレが背中をさすってくれて、
水も渡してくれた。




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